空手界には長年、流派や会派という巨大な壁が存在してきた。松濤館流、剛柔流、糸東流、和道流をはじめとする伝統派空手から、直接打撃を標榜するフルコンタクト系まで、それぞれの組織が独自の選手権を保持してきた経緯がある。しかし、この「全国道場選抜空手道大会」が放つ異彩は、まさにその境界線を鮮やかに無力化させた点にある。
オープン大会という形式を徹底して貫く姿勢。それこそが、全国の草の根道場から熱烈な支持を集める最大の理由だ。いかに所属団体で名を知られた選手であっても、この大会の畳の上ではひとりの挑戦者に過ぎない。流派の看板を脱ぎ捨て、己の拳と足先だけで真価を問われる過酷な舞台。だからこそ、ここで勝ち取るメダルには特別な重みが宿る。