2017年、三銃士をモチーフにした大作『All for One』をもって、輝城みつるは10年間在籍した宝塚歌劇団を退団しました。男役として最も油が乗り、成熟した時期での決断でした。
退団公演の舞台上で見せた晴れやかな笑顔と、寸分の隙もないパフォーマンスはファンの記憶に強く刻まれています。男役という完成された美の世界から飛び出し、素の自分として表現の可能性を試す旅立ちでした。
宝塚という安全な空間を離れることは、あらゆる表現者にとって大きな賭けです。しかし、彼女の視線はすでに海の外、ヨーロッパの文化と芸術へと向けられていました。