問題は、ゲーム内の音声ナビゲーションの聞こえ方にあった。英語で「into right」と発音されるフレーズが、日本人プレイヤーの耳には「インド人を右に」と聞こえたのだ。この空耳現象は瞬く間にゲームコミュニティで話題となった。
実際には「into right five」(右コーナー5)や「into right six」(右コーナー6)といった指示だったが、早口の英語発音と、当時のゲーム音声の品質が相まって、多くのプレイヤーが同じように聞き取った。この共通認識が、ミームとして広がる土壌を作った。
2ちゃんねるでの拡散
2000年代初頭、日本最大の匿名掲示板「2ちゃんねる」のゲーム板で、この空耳が大きな注目を集めた。ユーザーたちは「インド人を右に」というフレーズを使って、さまざまなジョークや派生ネタを生み出していった。
「なぜインド人なのか」「なぜ右に移動させる必要があるのか」といった哲学的な議論から、実際にインド人を右に移動させるシチュエーションを想像した創作物まで、無数のバリエーションが生まれた。このクリエイティビティこそが、ミームを長寿化させる原動力となった。