塩野郁子さんが去った後も、矢部氏は『大家さんと僕 これから』や続編の制作を通して、彼女との記憶を丁寧に描き続けました。また、作品はNHKでアニメ化され、より幅広い世代へとその温もりが届けられました。
塩野さんが残した最大の実績は、単にベストセラーのモデルになったことではありません。日常の小さな挨拶や、相手を思いやるひとすじの優しさが、どれほど人の心を救い、人生を豊かにするかを自らの生き様で証明したことにあります。
新宿の片隅で芽生えた小さな友情の物語は、これからも多くの読者の心の中で温かい光を放ち続けることでしょう。