スマートフォンの画面をスクロールする手が止まる。TikTokやInstagramでは、今年も「#3月9日」のハッシュタグをつけた投稿がミリオン再生を連発している。面白いのは、2000年代のオリジナル版をそのまま聴くだけでなく、Lo-Fi Hip Hop風のアレンジや、弾き語り動画など、若者たちが思い思いの形でこの曲を消費している点だ。
タイパ(タイムパフォーマンス)が重視される現代において、イントロからじっくりと聴かせるこの曲が支持されるのは興味深い。彼らは単に懐メロとして消費しているのではない。歌詞に描かれた「流れる季節の真ん中で」という、刹那的で美しい世界観に、自分たちの不確かな日常を重ね合わせているのだ。