後半のクライマックス、静かに舞い落ちる雪の中で描かれる惨劇は、テレビドラマの枠を超えた緊張感で観客を呑み込む。妻を奪われた夫・鈴木は、包丁を手に真犯人のもとへ向かう。犯人は反省の色すら見せず、あざ笑うかのような態度をとる。その瞬間、鈴木の理性が崩壊する。
現場に駆けつけたミコトは必死に叫ぶ。「ダメ! そんな奴のために自分の人生を壊さないで!」。彼女の言葉は正論であり、法と倫理を守る立場としての正義だ。しかし、隣に立つ中堂系の眼差しは違っていた。かつて恋人を殺され、未解決のまま復讐の念を燃やし続ける中堂は、鈴木の手に宿る殺意を止めるどころか、静かにその背中を押すような視線を送る。この二人の対極的な反応が、画面に凄まじい緊迫感をもたらした。