膝裏の電撃痛をもたらす代表的な疾患は主に4つ存在します。自覚症状の現れ方と痛む部位を照らし合わせ、自身の状態を客観的に見極めることが肝要です。
1. 腓腹筋内側頭の断裂(テニスレッグ / ふくらはぎ肉離れ)
中高年のスポーツ愛好家や、運動不足の成人に頻発するケガです。ふくらはぎ肉離れ初期症状の特徴は、膝裏のやや下方、ふくらはぎの内側上部に生じる「ボールをぶつけられたような衝撃」と瞬間的な鋭痛です。直後からつま先立ちができなくなり、アキレス腱を伸ばすような背屈動作で激痛が走ります。
2. 半月板後角損傷
関節軟骨の隙間にある半月板の、特に後ろ側のフチ(後角)に断裂が生じる疾患です。加齢変性がある膝に軽微なひねりが加わっただけで発生することが多く、50代以降では明確な受傷機転がないまま発症することも珍しくありません。以下の項目に当てはまるか確認してください。
【半月板損傷セルフチェックリスト】- 膝を曲げ伸ばしするとき、ある特定の角度で何かが引っかかる感覚(ロッキング)がある
- 深くしゃがみ込むと膝の奥・裏側に強い圧迫痛や激痛が走る
- 歩行中に突然膝の力が抜けそうになる(ガクッと崩れる)
- 膝全体が重だるく腫れぼったい、または関節内に水が溜まっている感覚がある
3. ベーカー嚢腫(関節液の貯留と破裂)
膝の裏にある滑液包と呼ばれる袋に、関節液が過剰に溜まる良性腫瘍のような病態です。ベーカー嚢腫症状の典型例は、膝裏のゴルフボール大のプニプニしたしこりや、正座時の圧迫感です。この嚢腫が何らかの負荷で急激に内圧を高めて破裂すると、関節液がふくらはぎへ漏れ出し、「ピキッ」という激痛とともに下腿全体の腫れや熱感を伴います。
4. 膝窩筋腱炎(しつかきんけんえん)
膝裏の深層で関節の安定化と回旋を司る小さな筋肉「膝窩筋」に炎症が生じる病態です。下り坂の歩行やランニングで過剰な負担がかかることで発症します。膝窩筋腱炎治し方の基本は局所の安静とアイシング、過度な回旋運動の制限ですが、半月板損傷と痛みの部位が重複するため精密な鑑別が求められます。