良かれと思って行った掃除が、壁紙に修復不能なダメージを与えてしまう事故が後を絶ちません。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」においても、通常損耗を超える過失による壁紙の破損は賃借人負担となるケースが多く、賃貸トイレ壁紙破れ剥がれ防止への配慮は必須です。
まず避けるべき筆頭は、メラミンスポンジや硬いブラシによる強い摩擦です。一般的なビニールクロス表面の塩化ビニール層は非常に薄く、研磨剤でこすると簡単にプリント層が剥がれ、下地の石膏ボードまで湿気が浸透してしまいます。また、高濃度の塩素系漂白剤を原液のまま直接スプレーする行為は、壁紙変色原因と予防コーティングの劣化を招き、黄変やまだら模様の脱色を引き起こす要因となります。洗剤の液だれによる「拭きムラ筋」を防ぐためにも、直接壁に吹きかけるのではなく、クロスやペーパータオルに洗剤を染み込ませて塗布するのが現場の鉄則です。