「代議士とは一体誰のことなのか」という疑問に対する端的な答えは、「衆議院議員」です。内閣総理大臣経験者であっても、当選1回の新人であっても、衆議院に議席を持つ議員であれば等しく代議士と呼ばれます。一方で、同じ国会議員であっても参議院議員を代議士と呼ぶことはありません。
法律上の身分としては、憲法第43条に基づき「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する」と規定されており、衆議院議員も参議院議員も対等な「国会議員」です。しかし、政治記者の取材現場や官公庁のレクチャー、政党内の会合において、明確に「衆議院議員=代議士」「参議院議員=議員(または参議院の先生)」と呼び分けられています。
この呼び分けが生じた最大の理由は、近代日本における議会制度の成り立ちにあります。有権者の直接投票によって選ばれ、「国民の代わりに議論を行う士(さむらい・人物)」として位置づけられた歴史が、衆議院議員にのみその称号を与え続ける根拠となっています。