キラーT細胞の真骨頂が描かれたエピソードといえば、何と言っても第1期第7話および第2期クライマックスにおける「がん細胞」との死闘です。
がん細胞は、外部から侵入してきたウイルスや細菌とは異なり、元々は細胞分裂のコピーミスによって生まれた「自分自身の細胞の成れの果て」です。生まれながらに周囲から異物として命を狙われ、存在そのものを否定されてきたがん細胞の悲哀と怒りを前に、キラーT細胞たちは単なる戦闘ロボットではなく、生命を守る防人としての重い葛藤に直面します。
敵の圧倒的な力に打ちのめされ、傷だらけになりながらも、「たとえ元は仲間であろうと、この世界(身体)を破滅させるわけにはいかない」と覚悟を決めて拳を振るうキラーT細胞の姿は、視聴者の涙を誘いました。ただ暴れるだけの筋肉集団ではなく、身体の秩序と命を維持するために非情な決断を下すプロフェッショナルとしての誇りが、そこに凝縮されています。