医療や素材開発の現場では、AIによる「自律的科学」が爆発的な進化を遂げている。新薬の候補化合物の発見から、シミュレーション、さらにはロボットアームを使った実験の自動実行まで、人間が介在しないプロセスが標準化された。
がんの特効薬や、次世代の超伝導物質の発見は、もはや人間の科学者のひらめきによるものではない。AIが膨大なデータ空間を探索し、人間には理解できない多次元的なアプローチで答えを導き出す。ここで生じる新たな問題は、人間が「なぜその答えにたどり着いたのか」を理解できないというブラックボックス化だ。私たちは、理解できない恩恵を受け入れる準備ができているのだろうか。