「お土産選びで失敗したくない」と考える方が最も悩むのが、知名度を二分するにしき堂と藤い屋の選択でしょう。両者の最大の違いは、生地の配合と餡の思想にあります。
にしき堂が2009年に開発し、瞬く間に広島銘菓の頂点へと上り詰めた「生もみじ」は、小麦粉だけでなく広島県産の米粉や餅粉をふんだんに使用しています。一般的なカステラ生地が持つパサつき感を完全に排除し、生菓子のようにしっとりとした粘りと弾力を実現しました。和菓子特有の重たさがなく、普段あまり饅頭を食べない若い世代からも絶大な支持を集めています。
一方、大正14年創業の歴史を誇る「藤い屋」は、正統派和菓子の矜持を守り続けています。特徴的なのは、小豆の皮を丁寧に剥いて練り上げる藤色の「こし餡」です。雑味が一切なく、口の中で生地とともにすっと溶けていく繊細な舌触りは、まさに茶の湯の文化を色濃く残す宮島ならではの仕上がりと言えます。品格や素材本来の風味を重んじる相手に贈る場合、藤い屋を選んで不満が出ることはまずありません。