扉を開けた瞬間に鼻腔をくすぐるヒッコリーの甘い香りの源流にあるのは、熟練のピットマスター(BBQシェフ)が注ぐ並々ならぬ情熱だ。直火で急速に焼く日本の炭火焼きとは異なり、低温でじっくりと数時間から十数時間かけて煙を纏わせるロー&スロー(Low & Slow)の技法こそが、本格的なアメリカンBBQの真髄である。
中でも訪問者を虜にしてやまないのが、特製スパイスでじっくり燻し上げた絶品プルドポークだ。指先で容易にほぐれるほど柔らかく仕上がった豚肉は、ジューシーな肉汁と奥深い燻製香が口いっぱいに広がる。秘伝の自家製BBQソースを絡めれば、甘みと酸味、そしてスパイスの刺激が絶妙なハーモニーを奏で、一度味わえば記憶から離れない魅惑の体験となる。