1985年のデビュー作に続き、チャートを駆け上がった「1986年のマリリン」での大胆なへそ出し衣装と激しいダンスは、当時の日本中に大きな衝撃を与えた。世間が喝采を送る一方で、父親は娘の露出度の高い衣装や過激な演出に対して複雑な感情を抱き、身を案じるあまり苦言を呈することも少なくなかったという。
だが、ポップスの枠を超え、東宝が手掛ける超大型ミュージカル『ミス・サイゴン』のヒロイン・キム役に一万人を超えるオーディションを勝ち抜いて抜擢された時、父の態度は一変した。舞台上で血を吐くような演技と歌声を披露する娘の姿に、父は涙を流し、一人の真の表現者として敬意を払うようになった。ポップスターから本格的な舞台女優への脱皮の裏には、家族の苦悩と真の理解があった。