日本国内で人工妊娠中絶が法的に認められている期限は、妊娠21週6日までと法律で厳格に定められています。妊娠22週以降は胎児が母体外で生命を保持できる可能性が生じるため、いかなる理由があっても母体保護法に基づく中絶手術を行うことはできません。この境界線は1日たりとも延長されない絶対的なラインです。
また、医療現場の実務において最も重要な分岐点となるのが「妊娠12週の壁」です。妊娠週数の計算は「最終月経の開始日」を0週0日と起算するため、生理が遅れて妊娠検査薬で陽性反応が出た段階ですでに妊娠4〜5週に達しています。そこから医療機関を探し、初診や感染症検査を経て日程を調整する時間を考慮すると、初期中絶が選択できる猶予期間は実質数週間しか残されていません。
手術を執刀できるのは、各都道府県の医師会が認定した母体保護法指定医に限られます。指定医以外の医師が処置を行うことは刑法上の堕胎罪に問われるため、受診先のクリニックが指定医の資格を有しているかを必ず確認しなければなりません。