会員制ラウンジの報酬体系は、夜職市場の中でも極めて独特です。基本給にあたる平均時給相場は、西麻布や六本木の主要エリアで4,500円から8,000円前後が中央値となっており、モデル活動歴や著名インフルエンサーなどの実績がある場合は15,000円以上の提示を受けるケースも珍しくありません。
給料システムの中核を成すのは、時給に上乗せされる豊富なバック(インセンティブ)です。
- 本指名・場内指名バック:席についた時間や回数に応じて1回あたり2,000円〜5,000円程度が加算。
- 同伴バック:来店前に客と食事などをして一緒に入店することで、売上金額の10〜20%あるいは一定額(5,000円〜10,000円)が還元。
- ボトルバック・小計バック:開栓された高額シャンパンやワインの代金から一定割合(10〜30%程度)を支給。
加えて、多くの店舗が採用しているのが「全額日払い(または翌日振込)」システムです。キャバクラのような月末締め翌月払い、あるいは毎月の源泉徴収・厚生費引き落としといった拘束が少なく、働いた分の成果が即座に手元へ渡るスピード感が、多忙な現代女性のライフスタイルと合致しています。
ただし、現場取材を通じて見えてきたのは「高時給=安定収入」ではないという冷徹な現実です。ノルマがないということは、店舗側に「売上に貢献しないキャストを無理に出勤させる義務がない」ことを意味します。客足が鈍る時期には出勤日数を削られる「シフトカット」が日常茶飯事であり、額面通りの月収を維持し続けるには、自身のパーソナルな価値を保ち続ける努力が欠かせません。