なぜ、バブル期を知らないZ世代がヤクザ映画や極道ものに熱狂するのか。その理由は「エモさ」と「記号化されたかっこよさ」にある。TikTokでは、Vシネマの印象的なセリフやキメ顔を切り取ったショート動画が数十万回再生される事態が起きている。彼らにとって、それは古臭いものではなく、むしろ新鮮でスタイリッシュなコンテンツなのだ。
泥臭い人間関係や、義理と人情のために命を張るキャラクターたちの生き様は、希薄な人間関係に悩む現代の若者にとって、一種のファンタジーであり憧れでもある。「タイパ」を求めながらも、泥臭い「エモさ」に飢えている矛盾した若者心理に、Vシネマの熱量が絶妙にフィットしている。