大手デンタルケアメーカーの調査やSNS上の声を分析すると、「歯磨きで血が出たので怖くてブラッシングを控えた」という投稿が散見されます。しかし、臨床現場の歯科衛生士が口を揃えて指摘するのは、この行動こそが病状を悪化させる最大の要因であるという事実です。
歯茎の腫れ・出血の理由は、歯ブラシの摩擦による外傷ではなく、歯頸部に停滞したプラーク(歯垢)に含まれる毒素への免疫反応です。プラーク1mg中には約1億〜10億個もの細菌が存在し、これらが排出する毒素が歯肉の上皮を破壊して潰瘍を作ります。その結果、わずかな刺激で毛細血管から出血する仕組みです。
「出血を恐れてブラッシングを避けると、プラークがさらに蓄積して石灰化し、数日で強固な歯石へと変化します。血が出る部位こそ、柔らかい毛先で丁寧なプラーク除去を行わなければなりません」と現場の歯科医師は警鐘を鳴らします。適切なケアを続ければ、歯肉炎レベルの出血であれば数日から1〜2週間程度で引き締まりを取り戻します。