検索エンジンにキーワードを入力すると関連ワードに浮上する「ぼったくり」という不穏な言葉。公式発表資料や業界団体の規約を検証する限り、公認の人力車会社が法外な追加請求や悪質な詐欺行為を行っている事実は確認できません。ではなぜ、浅草人力車 ぼったくりの真相としてこのような疑惑が囁かれ続けるのでしょうか。
現場の聞き込みと浅草観光人力車 ネットの評判を精査すると、そこには3つの認知のすれ違いが存在していました。
一つ目は、「1台あたり」と「1人あたり」の価格誤認です。雷門前などの声かけで「お二人で30分、ご案内できますよ」と案内された際、提示された金額が1台分なのか1人分なのかを正確に確認しないまま乗車し、会計時に「思っていた倍の金額を請求された」と錯覚するケースです。現在の大手事業者はトラブル防止のため、乗車前に必ずラミネート加工された明朗な料金表を指差し確認させるオペレーションを徹底していますが、口頭のやり取りだけで乗ってしまった個人客との間で認識のズレが生じることがあります。
二つ目は、強引に感じられる「声かけ(キャッチ)」への心理的反発です。週末の雷門前や吾妻橋交差点付近では、十数台の人力車が待機し、通行人に次々と声をかけます。心理学でいう「パーソナルスペースの侵害」や、旅先で警戒心が高まっている心理状態において、畳み掛けるような営業トークが「押し売り」「ぼったくり予備軍」というネガティブな印象に変換されてしまう構造です。
三つ目は、コース延長時の費用確認不足です。乗車中、俥夫から「この先にもう一つ素敵な隠れスポットがあるのですが、少し足を伸ばしてみませんか?」と提案されることがあります。サービス精神や観光ルートの最適化からの提案であっても、追加料金の確認を怠ると、降車時に予算オーバーとなり後味の悪さを残す要因になります。