『タッチ』の最終回には、原作漫画とテレビアニメ版で印象的な違いが存在します。
原作漫画では、甲子園決勝の試合描写そのものは敢えて詳細に描かれません。準決勝後の達也の告白、そして優勝盾が上杉家の居間に飾られている日常の風景へとシームレスに繋がり、登場人物たちの「その後の日常」に焦点を当てて完結します。あだち充らしい引き算の美学が詰まった構成です。
対してアニメ版では、甲子園決勝のマウンドに立つ達也の力投がしっかりと描かれ、視聴者にスポーツアニメとしてのカタルシスを強く届けるエンディングとなりました。
物語の遺伝子は、約30年後の明青学園を舞台にした続編作品『MIX』へと受け継がれています。『MIX』では、立花投馬・走一郎のバッテリーが再び甲子園を目指す中で、上杉達也が残した伝説の軌跡や、かつての登場人物たちの存在が随所に感じられる仕掛けとなっており、今なおファンの探究心を刺激し続けています。