名古屋の中心地・栄が半世紀ぶりの歴史的再編期を迎えて久しい。新拠点の誕生により、ビジネス層やファミリー層をターゲットにした上質なライフスタイル提案型施設が増加した。だが、その潮流と一線を画すのがこのビルの戦略だ。安易な高級化路線に流されることなく、尖ったストリートカルチャーやエッジの効いた独立系ブランドの育成に軸足を置き続けている。
この軸のブレなさこそが、激しい都市間競争の中で強固なポジションを維持する原動力になっている。均一化されたブランド構成に陥りがちな大型複合ビルが多いなか、「ここに行けば何か面白いものに出会える」という期待感を常に裏切らない。街が近代化され洗練されればされるほど、その対極にあるエネルギッシュなサブカルチャーや表現の場としての価値は高まる一方だ。