シリーズをプレイしていて「なぜこれほど悲劇的な展開が描かれるのか」と疑問を抱く読者は少なくありません。その決定的な理由は、メインディレクターを務める熊崎信也氏をはじめとする開発陣が意図して構築した「表層の爽快感と深層の重厚なナラティブの二重構造」にあります。
アクションゲームとしてのテンポを損なわないよう、ゲームプレイ中はテキストによる過度な説明を排しつつ、やり込み要素であるボスラッシュモード(「真 格闘王への道」など)のポーズ画面にラスボスの哀しい生い立ちや狂気に至った動機を詳細に記載する手法が取られています。プレイヤーが強敵と対峙し、撃破した瞬間にその敵が背負っていた悲惨な運命を知るという構造が、強烈なトラウマとカタルシスを同時に生み出しているのです。
また、侵略者や異形のラスボスたちが最初から絶対悪として生まれたのではなく、「大切な者を守りたい」「美しくありたい」「失った愛娘を取り戻したい」といった純粋な欲望や愛情の歪みから破滅へと突き進んでいく点も、ファンの胸を締め付ける大きな要因となっています。