ネット上の合格体験記で頻繁に見かける「過去問道場だけで受かった」という言説。この言葉には、受験者が必ず知っておくべき決定的な前提が存在します。結論から言えば、科目A試験に関しては過去問道場のみで十分合格可能ですが、科目B試験は過去問道場の単体学習だけでは極めて突破が困難です。
情報処理推進機構(IPA)の公式発表資料が示す通り、通年受験が可能なCBT方式へ全面移行して以降、出題形式と評価基準は大きく再編されました。従来の午前試験に相当する「科目A」は四肢択一の知識問題が中心であり、過去問道場に収録されている膨大なプールから類題や同一問題が多数出題されます。そのため、過去問の網羅的な演習がそのまま得点に直結します。
一方で、従来の午後試験から再構築された「科目B」は、長文読解型から全20問の小問形式へと変化し、そのうち8割が「アルゴリズムとプログラミング」、2割が「情報セキュリティ」で構成されています。ここでは過去の同一問題がそのまま出題されることはなく、疑似言語を用いたコードのトレース能力と論理的思考力がその場で試されます。過去問の答えを覚えるだけの学習では太刀打ちできない構造になっているのが実態です。