数々の映画賞で新人賞や助演女優賞を総なめにした『茜色に焼かれる』は、彼女のキャリアにおいて決定的な転換点となった。凄惨な境遇に立ち向かう主人公の傍らで、複雑な感情を抱える風俗店員役を見事に演じ切り、批評家と観客の双方に強烈な衝撃を与えたのだ。
あの作品で提示された圧倒的な存在感は、過小評価されがちだった彼女の真価を映画界全体に決定づけた。一過性のブームに流されることなく、地道に小劇場や独立系映画で技術と感性を磨いてきた下地があったからこそ、あの登竜門とも言える瞬間を確実に掴み取ることができたと言える。