興味深いのは、2000年代以降に生まれた若い世代がこの波を牽引している点だ。昭和レトロやY2Kといった過去のブームを経て、彼らの探求はさらにディープな世紀半ばのヨーロピアン・ヴィンテージへと潜り込んでいる。
失恋に打ちひしがれ、喉を枯らして愛を叫んだかつての歌姫たちの生き様が、なぜか今、共感を呼ぶ。失敗を恐れてスマートに立ち回ることが美徳とされる風潮のなかで、感情を露わにして傷つくことを恐れないそのアティチュードは、むしろ新しく、圧倒的にロックに映るのだ。古着のジャケットの襟元に小さな薔薇のピンを挿し、夜の街を闊歩する彼らの姿には、自分だけの美意識を貫く静かな矜持が漂っている。