AIの技術構造を理解する上で避けて通れないのが、「機械学習(Machine Learning)」と「ディープラーニング(Deep Learning / 深層学習)」という2つの関連用語です。これらは個別の技術ではなく、入れ子構造(同心円状の階層関係)になっています。
全体像を整理すると、最も外側に大きな概念としての「AI(人工知能)」があり、その中にAIを実現する主要手法である「機械学習」が含まれ、さらに機械学習の発展形として「ディープラーニング」が存在しています。
従来の一般的なコンピュータプログラムとAIの決定的な違いは、「ルールの作り手」にあります。従来のシステム開発では、人間がすべての条件分岐(もしAならBを実行せよ、という命令文)をコードとして記述していました。そのため、想定外の事象が起きるとシステムは正しく作動しませんでした。
対してAI、とりわけ機械学習以降の技術では、人間がルールを1から書き込むのではなく、大量のデータ(ビッグデータ)をコンピュータに与えます。システム自らがデータ内の規則性やパターンを自動的に抽出し、未知のデータに対しても高精度な予測や分類を行うアルゴリズムを構築します。
ディープラーニングは、人間の脳にある神経細胞(ニューロン)のネットワークを模した「多層ニューラルネットワーク」を用いる技術です。これにより、従来は人間が指定していた「着目すべき特徴(特徴量)」の抽出までコンピュータが自律的に行えるようになり、画像認識や音声解析、自然言語処理の精度が飛躍的に向上しました。