オープン以来、公立図書館界のトップランナーとしてメディアを賑わせ続ける大和市文化創造拠点シリウス。平日・休日を問わず途切れることのない人の波を目にすると、単なる「便利な図書施設」の域をはるかに超越している事実を実感させられます。年間来館者数が全国屈指の規模を維持し続けている背景には、従来の公共建築が陥りがちだった縦割り構造を完全に解体した、画期的なフロアゾーニングと行政哲学が存在します。
シリウスの基本構造は、地下1階から地上6階まで多機能が立体的に組み合わされた複合空間です。1階には約1,000席を誇るメインホールと市民交流ラウンジ、そしてスターバックスコーヒーが配置され、街の賑わいがそのまま館内へ滑り込むような動線が描かれています。2階から5階にかけて広がる大和市立図書館は各階ごとに明確なテーマが付与されており、3階は未就学児がのびのび声を出せる「こども図書館」と全天候型広場、4階は血圧計や体組成計を備えた「健康都市図書館」、5階は深い思索と学びに没頭できる「生涯学習センター・読書室」と、フロアが上がるにつれてグラデーションのように静粛性が高まる絶妙な構造が採用されています。
これにより、子ども連れのファミリー層、試験勉強に励む中高生、テレワークに励むビジネスパーソン、新聞や専門書をゆっくりめくるシニア層が、互いの動線を邪魔することなく同じ屋根の下で心地よく過ごすことが可能になりました。誰も排除しないインクルーシブな居場所づくりこそが、大和市図書館が驚異のリピート率を誇る根本的なエンジンなのです。