「羽生」という名を世界・全国に轟かせた二大巨頭の存在は、この名字の魅力を語る上で外せません。それぞれのルーツと名前に込められた背景にも、深い物語が宿っています。
フィギュアスケート界で数々の歴史的記録を打ち立てたプロスケーター・羽生結弦さんは宮城県仙台市の出身です。東北地方に根付いた「はにゅう」の系譜を受け継いでいます。そして「結弦(ゆづる)」という名前は、父親が「弓の弦をキュッと結ぶように、凛とした引き締まった心で生きてほしい」「真っ直ぐで柔軟な芯のある人になってほしい」という願いを込めて名付けたエピソードが広く知られています。
一方、将棋界で永世七冠という前人未到の金字塔を打ち立てた羽生善治九段の名字は「はぶ」と読みます。善治九段の家系のルーツは鹿児島県の種子島(薩摩藩の領地)にあり、九州南部に伝わる「はぶ」の血脈を引いています。静寂の中で鋭い手を繰り出すその勝負強さは、古代から続く土地の力強さと見事に共鳴しています。