ネット上の口コミで時折「遠くからカメラを向けたらスタッフに注意された」「写真撮影のルールが厳しすぎる」といった不満が投稿されることがあります。これには観光地特有の商業ルールと、動物を扱う現場特有のトラブル回避措置という2つの側面があります。
鳥取砂丘における「写真撮影ルール」の基本は明確です。「砂丘の風景の一部として遠景かららくだをフレームに収めること」は一般的な景観撮影として黙認・容認されていますが、「近距離で自分のカメラやらくだをメインにして無断撮影すること」や「らくだの横に並んでタダで記念写真を撮ること」は厳格に禁止されています。
至近距離での撮影やツーショット写真を希望する場合は、所定の「撮影料(1人約500円〜)」を支払った上で専用スペースに入場しなければなりません。スタッフ立ち会いのもとで、手持ちのスマートフォンや一眼レフをオペレーターに渡して確実なアングルで撮影してもらう仕組みです。
一見するとシビアに映るこのシステムですが、背景には正当な理由があります。第一に、ラクダの飼育には多額のエサ代、獣医師による診察費、温度管理の効いた厩舎の維持費が恒常的に発生しており、撮影料それ自体がラクダの福祉を支える運営資金であるという点です。第二に、フラッシュの誤発光や無理な接近によってラクダがパニックを起こし、噛みつきや蹴り上げといった重大事故につながるリスクを防止するためです。現場の規律は観光客の安全を守る境界線として機能しています。