メガホンを取ったのは、『ノロイ』や『貞子vs伽椰子』などで知られる鬼才・白石晃士監督です。Jホラー界屈指のストーリーテラーである白石監督は、原作のフォーマットを活かしつつ、劇場版ならではのダイナミックな群像劇を構築しました。
物語は、女子高生の市川美保(森七菜)が、親友の遥(仁村紗和)と共にインディーズバンドのライブを訪れるところから始まります。遥はバンドのボーカルである魔鬼(藤田富)のカリスマ性に魅了され、危険な儀式のような世界へと引きずり込まれていきます。親友を取り戻そうと奔走する美保でしたが、魔鬼の卑劣な罠によって遥は心身ともにボロボロに破壊されてしまいます。
絶望の淵に立たされた美保は、都市伝説と噂されていた午前0時の「地獄通信」へアクセス。現れた閻魔あいから、赤い糸が巻かれた藁人形を手渡されます。「糸を解けば怨みの相手を地獄へ流せるが、契約の代償として自分自身も死後は地獄へ落ちる」という過酷な掟に葛藤する美保。しかし、魔鬼の暴挙は留まることを知らず、事態は破滅的なクライマックスへと雪崩れ込んでいきます。
後半で描かれる魔鬼の主催ライブシーンは、白石監督の真骨頂とも言えるカオスな阿鼻叫喚の地獄絵図と化します。単なる勧善懲悪では終わらない、業(ごう)の深さと因果応報の虚しさを叩きつける展開は、ホラー映画として非常に見応えがあります。