神奈川県立精神医療センターを語る上で欠かせない二大支柱が、「アディクション(依存症)治療」と「思春期精神医療」です。
依存症治療(アルコール・薬物・ギャンブル・ゲーム症)の強み
アルコール依存症や違法薬物・市販薬乱用、ギャンブル等依存症において、同センターは国内有数の知見を蓄積してきました。単に「薬や酒を物理的に断たせる」だけの隔離型治療ではなく、認知行動療法(CBT)を取り入れた集団ミーティングや再発防止ワークショップ(SMARPP等)を体系的に導入しています。
特筆すべきは、「共依存」に陥りがちな家族への介入です。依存症患者本人が受診を拒否している段階であっても、家族のみを対象とした相談窓口や家族教室を開催し、家族自身が適切な「心理的バウンダリー(境界線)」を引けるよう支援します。家族が毅然とした対応を身につけることが、結果として患者本人を回復のテーブルにつかせる決定打となる事例が数多く報告されています。
思春期外来・児童思春期病棟の独自アプローチ
中学生・高校生を中心とした思春期世代は、不登校、解離性障害、摂食障害、発達障害の二次障害など、複雑に絡み合った心理的危機に直面します。当センターの思春期外来では、精神科医のみならず、児童指導員、心理療法士、作業療法士、院内学級(隣接する特別支援学校分教室等)が一体となり、学習支援と並行した手厚い治療環境を提供しています。子どもの尊厳を守りつつ、家庭環境や学校環境との調整を丁寧に行うスタンスが定評を得ています。