進路や就職を考える際、多くの人が混同しやすいのが「幼稚園教諭」と「保育士」におけるピアノスキルの要求水準の差です。
幼稚園は文部科学省が管轄する「学校教育施設」であり、教育要領に基づいたカリキュラムが一斉指導形式で行われます。そのため、季節の歌、劇遊びの伴奏、卒園式の式典演奏など、幼稚園教諭には一定以上の高度な即興演奏力や表現力が日常的に求められます。
一方、厚生労働省(およびこども家庭庁)管轄の「児童福祉施設」である保育所は、生活の場そのものです。現場で働く保育士たちの本音アンケートを紐解くと、リアルな声が見えてきます。
「得意な先生が朝の会や行事の伴奏を担当し、ピアノが苦手な先生は壁面装飾や絵本の読み聞かせ、運動遊びのリーダーを担当するなど、得意分野の役割分担が現場では定着している」(20代・認可保育園勤務)
「ピアノが上手でも子どもの異変に気づけない人より、ピアノは拙くても子どもと全力で笑い合える先生のほうが現場からの信頼は圧倒的に厚い」(40代・主任保育士)