本作は、経済小説の旗手として知られる城山三郎の同名小説を原作とし、気鋭の脚本家・市川森一が骨太かつ詩情豊かに脚色した一大海洋ロマンです。
舞台は戦国時代末期。日本屈指の貿易港であり、会合衆と呼ばれる豪商たちによる自治が敷かれた「自由都市・堺」。貧しい生い立ちから身を起こした若者・呂宋助左衛門(るそんすけざえもん)は、南蛮貿易に自らの夢と商機を見出します。
織田信長による堺の直轄地化、本能寺の変、そして豊臣秀吉による天下統一といった時代の激流の中で、助左衛門はフィリピン・ルソン島との交易を成功させ、巨万の富を築き上げます。しかし、権力の一極集中を進める秀吉政権の影は、自治を誇った堺の街と助左衛門の足元にも確実に忍び寄っていきます。富や身分に執着せず、あくまで「一個の自由人」として生きようとする助左衛門の闘いが、ダイナミックな筆致で描かれます。