万博輸送における最大のチャレンジの一つが、走行時の二酸化炭素排出量を抑える大型EVバスの大規模運用だった。車内に一歩足を踏み入れると、従来のディーゼル車両特有の重低音や振動が消え去り、「長時間の乗車でも酔いにくい」「案内アナウンスが明瞭に聞こえる」と来場者から高い評価が寄せられた。
しかし、舞台裏ではバッテリー管理を巡るヒヤリとする事態も頻発していた。連日35度を超えた盛夏の夢洲において、エアコンをフル稼働させたEVバスは想定以上のペースで電力を消費。急速充電ステーションへの集中により、充電待ちで稼働不能となる車両が一時続出した。運行チームは車内温度設定の微調整マニュアルを急遽策定し、充電タイミングを分散させるアルゴリズムを現地で組み直すことで、破綻を危ういところで防ぎ切った。