「まさかこれほど大人の来館者が増えるとは」——現場のスタッフが驚きを隠さないように、現在の高知館はかつてない熱気に包まれている。ブームのきっかけとなった朝ドラの放映以降、単なる「子ども向けキャラクター施設」という枠組みは完全に払拭された。
館内を歩くと目につくのは、小さな子どもと一緒に楽しそうに展示を見上げる若い夫婦だけでなく、静かに原画に見入るシニア世代や20代のカップルの姿だ。アンパンマンという国民的ヒーローが誕生する背景にあった、やなせ氏の波乱に満ちた生涯や戦争体験、そして「本当の正義とは何か」というテーマに触れ、涙を流すファンの姿も珍しくない。