さつまいもは単体でも準完全栄養食と呼ばれるほど優秀な食材だが、その真価は「皮と果肉の境界部分」にこそ眠っている。皮を厚く剥いてしまうと、貴重な微量栄養素の大半をゴミ箱へ捨てているのと同じ状態になってしまう。
皮のすぐ内側に最も多く含まれているのが、さつまいも特有の有用成分「ヤラピン」だ。生のさつまいもを切ったときに出てくる白いミルク状の液体で、古くから緩下剤(便秘薬)のような自然の通じを促す働きが知られている。熱に強く、じっくり焼き上げても壊れにくいため、焼き芋にしても成分がしっかりと残る点が大きな強みだ。
さらに注目したいのが、抗酸化作用を持つポリフェノール類である。紫色の皮部分には目の健康やアンチエイジングを助ける「アントシアニン」が豊富に含まれ、果肉との境目には生活習慣病予防や血糖値急上昇の抑制に関わる「クロロゲン酸」が高密度で蓄積されている。皮ごと食べることで、これらの強力な抗酸化成分を丸ごと体内に取り込める。
また、皮には水に溶けない「不溶性食物繊維」がたっぷり含まれており、果肉に含まれる「水溶性食物繊維」と合わさることで、食物繊維の黄金バランスが完成する。腸内の老廃物を絡め取って排出を促すため、美容やダイエットを意識してさつまいもを主食代わりに活用する人にとっても、皮ごと食べる選択は極めて理にかなっている。