現在、後進の指導にも情熱を傾ける山本は、若手ピアニストにとって憧れであり、最も信頼できる道しるべとなっている。マスタークラスやレッスンで見せる指導法は、技術指導にとどまらず、楽曲の背景にある文化や哲学を深く掘り下げるスタイルが特徴だ。
「楽譜に書かれた記号をなぞるだけでは音楽にならない。その音の裏にある静寂やためらいを感じ取ること」。彼のレッスンで繰り返される言葉は、世界を目指す若者たちの胸に深く刺さる。自らが国際コンクールの苛烈な舞台で培った経験があるからこそ、その助言には嘘のない説得力が宿る。