銚子電鉄の歴史は、常に廃線の恐怖との隣り合わせだった。乗客数の激減、老朽化した車両や線路の維持費、そして膨らむ赤字。かつて「ぬれ煎餅」の販売で一命を取り留めた同社が、次なる一手として2018年に投入したのがこの商品だ。「経営がまずい」という自虐を逆手に取ったブラックユーモア満載の企画は、発売直後からネット上で大きな波紋を広げた。
パッケージに描かれたキャラクター「まずえもん」のどこか哀愁漂う表情もあいまって、購入すること自体が「鉄道への寄付」という文脈を獲得。一発屋のネタ企画で終わると思われた商品は、定番フレーバーの拡充や異色コラボを重ね、息の長い人気ブランドへと成長を遂げていった。