「らくだ」の名が冠された理由は、岩場にかがむラクダの背中を彷彿とさせる独特の地形にある。何千年もの歳月をかけて波浪が削り出した岩の隙間から、高温の温泉水が留まることなく自噴する。湯船のすぐ目と鼻の先で白波が弾け飛ぶ光景は圧巻だ。一瞬として同じ姿を留めない。
歴史を紐解けば、この源泉は古くから漁師たちが海での過酷な作業による冷えや疲労を癒やすための憩いの場であった。時代が移り変わろうとも、地球が醸し出す素朴な湯の佇まいは変わらない。人工的なコンクリートの壁を極力排し、自然の岩盤をそのまま利用した浴槽には、先人たちの自然に対する深い敬意が刻まれている。