昭和から平成へと元号が変わる狭間、テレビ画面はかつてないほどのエネルギーに満ちていた。『ザ・ベストテン』やフジテレビ系列の看板番組『夜のヒットスタジオ』の現場は、毎週がスーパースターたちの真剣勝負の場だった。華麗なステップと圧倒的な存在感でトップに君臨していた田原俊彦と、凛とした美しさと透明感ある歌声で同世代のカリスマとなった中山美穂。二人が交差するのは必然だったのかもしれない。
当時、80年代アイドルを取り巻くスケジュールは殺人的だった。スタジオのリハーサル室や移動中のわずかな合間、スタッフの目を盗んで交わされる言葉や視線。周囲の厳重なガードをすり抜けるようにして育まれた愛は、過酷なエンターテインメント界を生き抜く二人にとって、唯一無二の安らぎのシェルターだったに違いない。