撮影した写真が最終的にどこへ行き着くのか。この視点が抜け落ちたスペック論争は意味をなさない。
私たちが日常的に活用するInstagramをはじめとする主要SNSでは、アップロード時に強力な画像圧縮が施される。Instagramのフィードに投稿される画像の長辺は基本的に1080ピクセル、画素数に換算すればわずか約200万画素程度にすぎない。2億画素のマスターデータであっても、サーバー側で容赦なく縮小・再エンコードされる過程で、超高解像度の細かな恩恵の大部分は削ぎ落とされてしまう。
さらに見逃せないのがストレージへの負荷だ。Google フォトや端末の内蔵ストレージに高画素データをそのまま保存し続ければ、1枚あたり数十メガバイトから数百メガバイトもの容量を一瞬で圧迫する。月額課金のクラウドストレージ容量を追加購入し続けるコストを払ってまで、日常のランチやペットの写真を巨大なデータで残す必然性があるだろうか。
SNSでの見栄えを決定づけるのは画素数ではない。露出の正確さ、カラーサイエンスの美しさ、そしてレンズの光学的なヌケの良さである。