彼の俳優としての転機を語る上で欠かせないのが、作品ごとに見せる鮮烈なギャップだ。大ヒットを記録した『わたしの幸せな結婚』で見せた高貴で重厚な佇まいは、従来のイメージを覆す静かな熱量を放っていた。一方で、主演を務めたドラマ『彼女、お借りします』では、等身大の青年の情けなさや葛藤をリアルに体現。作品の空気を一瞬で自分の色に染め上げる適応力の高さを見せつけた。
さらに、映画『恋を知らない僕たちは』をはじめとする青春恋愛映画における彼の存在感は圧倒的だ。複雑に交錯する感情をみずみずしく演じきり、単なる甘いラブストーリーの枠を超えたドラマ性を作品に与えている。役柄の深層心理を丹念に読み解く冷静なアプローチこそが、彼の演じるキャラクターに確かな血を通わせているのだ。