物語は、ある屋敷に仕えるメイドと、その屋敷に住むお嬢様の日常を軸に展開する。二人には共通点がある。どちらも身体のどこかが欠けているのだ。具体的な設定は巻数を追うごとに深掘りされていくが、序盤から読者は「この二人はなぜこうなったのか」という問いを自然に抱くように誘導される。
世界観は現代ともファンタジーとも取れる曖昧な時代設定だ。それが逆に功を奏している。特定の時代に縛られないことで、身体的差異が持つ普遍的なテーマが前面に出やすくなっている。豪奢な屋敷の描写、繊細な衣装のデザイン、そして二人の間に流れる静かな緊張感——絵柄もまた、この世界観を支える重要な要素となっている。
メイドは実務的で淡々としているように見えて、内面には豊かな感情を持つ人物として描かれる。一方のお嬢様は、外見の華やかさとは裏腹に孤独を抱えている。二人が交わす会話には、言葉にならない感情がにじむシーンが多く、そこに読者は何度も引き込まれる。