edition nordの活動において特筆すべきは、その特異な拠点戦略です。秋山は一時期、活動の拠点を東京から自身の出身地である新潟市へと移しました。そこで出版活動と並行してギャラリー兼ショップ「Poncotan(ポンコタン)」を運営。過密な都市部から離れることで、じっくりと本作りに没頭できる環境を構築したのです。
地方に拠点を置きながらも、彼らの視線は常に世界へと向けられていました。ニューヨーク、ベルリン、ジュネーブなどで開催される国際的なアートブックフェア(Art Book Fair)へ積極的に参加。ブースに並べられた緻密な美本は、瞬く間に海外のコレクターや専門家の目を捕らえました。
現在、拠点の一部を神戸へと移しながらも、「ローカルで深く制作し、グローバルに直接届ける」という独立系スタイルの先駆けとして、後進の出版社やデザイナーに大きな影響を与え続けています。