かつて日本のテレビ番組を通じて中華料理の素晴らしさを全国のお茶の間に届けた伝説の料理人、周富徳氏。そして四川料理の深遠さを日本に根付かせた陳建一氏。彼ら巨匠が築き上げた第二次中華ブームの情熱は、この地に根を張る町中華の店主たちの中にも脈々と受け継がれている。
中華鍋を叩く乾いた金属音が店内に響き渡る。仕込みに何時間も費やされたチャーシュー、パリッと香ばしく焼き上げられた餃子の皮。テレビ番組『孤独のグルメ』の主人公がふらりと立ち寄り、思わず笑みをこぼすような情景が、ここには日常として存在する。奇をてらわない素朴な料理に込められた確かな技術と歴史の厚み。それこそが、時代を超えて人々を惹きつけて止まない町中華の神髄である。