泰良の狂気に感化され、自らの内なる邪性を爆発させていく高校生・裕也を演じたのが菅田将暉だ。強者には媚び、弱者には徹底的に残忍になる裕也の卑劣さと滑稽さを、菅田は恐ろしいほどのリアリティで演じきった。泰良という圧倒的な力にすがりつきながら理性を失っていく姿は、観る者の不快感と好奇心を同時に刺激する。
さらに、彼らの暴走に巻き込まれていくキャバクラ嬢・奈那を演じた小松菜奈の凄絶な演技も見逃せない。被害者でありながら、極限状態の中で見せる鋭いエゴイスティックな一面。菅田と小松が車内で見せる壮絶なやり取りは、日本映画史に残る痛烈なクライマックスを生み出している。