物語の核をなすのが、主人公であるサウスポー・沢村栄純との関係性である。当初、自分の意志でボールをコントロールできなかった沢村のポテンシャルを見抜き、その才能をこじ開けたのは他ならぬ御幸だった。
二人の関係は甘い友情ではない。時には突き放し、時には厳しい要求を突きつける。御幸の容赦ない配球と「グラブを構えた場所に投げてこい」という絶対的な存在感が、沢村のチェンジアップやカットボールといった変化球の開花を促した。受け手と投げ手という枠組みを超え、互いを刺激し合いながら高め合う姿は、高校野球漫画の歴史に残る理想のバッテリー像と言えるだろう。