長年、日本国内では社会的偏見や法的な曖昧さに晒されてきた刺青文化だが、近年その評価は大きく様変わりしつつある。世界的なドキュメンタリー番組やNetflixのカルチャー特集などで日本の職人技がフィーチャーされたことで、海外の芸術界から熱烈な賛辞が寄せられるようになった。
過去には映画『刺青』(谷崎潤一郎原作の映画化作品など)に代表されるように、刺青は官能や怪異、陰影に満ちた美意識の象徴として映像作品でも描かれてきた。そうした美学がデジタルプラットフォームを通じて世界中へ拡散された結果、海外の大物アーティストやデザイナーが「日本伝統のアート」を求めて来日するケースが急増している。
いまや和彫りは、西陣織や蒔絵、日本刀などと並ぶ伝統工芸産業の一環として再評価されるべきだという声も根強い。有形無形の文化財として職人の技術を守り、次世代へ繋ぐ動きが各所で加速している。