文化的な盛り上がりと並行して、経済的なインパクトも顕著だ。国土交通省が発表した2026年の公示地価データによると、此花区内の住宅地・商業地の上昇率は大阪市内でもトップクラスを維持している。
特に変化が著しいのが、築古の長屋や文化住宅の再生ビジネスだ。アトリエ兼自宅を求める若手芸術家やデザイナー、Z世代のクリエイターたちが、比較的安い初期費用で改装可能な物件を求めて集中している。
中崎町や堀江といった従来の「おしゃれエリア」が商業化しつくされ、賃料が高騰した結果、表現者たちのフロンティアが西へと移動してきたと言える。古き良き長屋の骨組みを活かしながら、最新のデザインを取り入れた住空間。路地を歩けば、どこからか木工の音や絵の具の匂いが漂ってくるような、生きたクリエイティビティが街全体を包み込んでいる。