「前年並みのベースアップでは、もはや生活の防衛すら覚束ない」——ある大手スーパーの労働組合幹部は吐露する。食品や光熱費の価格上昇が収まらない2026年の春、労働側の求める水準はこれまでになく高い。実質賃金をプラスに転じさせ、購買力を回復させることが今回の主目的だ。
経営側も苦しい。原材料費の高騰や物流コストの増大が利益を圧迫しているからだ。しかし、賃上げを渋れば労働者は容赦なく他社へと流出する。経営陣にとって、賃上げは「コスト」ではなく「人材繋ぎ止めの投資」へと意識の転換を迫られている。満額回答を引き出せるか否か、労使双方の緊張感はピークに達している。